汚れた豆日記

そら豆がゆるく呟きます。

新春戦線、苦悩有り

これはある宿命を背負った男の冒険譚である。(3月投稿予定だったのに現物が4月まで届かなかったせいで投稿時期が遅れたのでこれは3月分です)(私は悪くない)(とにかく語ります、共感性羞恥注意)(オタク成分と駄文多め)

 

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まず、来る2019年12月16日に運営からこんな発表があった……。

https://twitter.com/C2_STAFF/status/1206385984096522240?s=19

 

https://twitter.com/C2_STAFF/status/1206388348639531009?s=19

 

纏めると……

  • 比叡の迎春旗をC97で出す
  • 比叡の第三改装を2020年春に実装

 

なんのことかさっぱり分からないという人に、簡単に説明すると、

「蚕豆が好きな比叡のソシャゲで言えばSSR、またはURに相当するものを実装するよ!それに合わせてグッズも出すよ!」

 

比叡に第三改装が実装されることは予想がついていた。(以下早口注意)

  • 2019年春に1番艦(比叡は2番艦)の金剛の第三改装が実装済
  • リアイベで「金剛型全艦、第三改装の実装を行う」と発表
  • 戦艦比叡がソロモン沖の海底で発見
  • 2019年秋イベの最終海域の主役は比叡

 

以上の事実より「比叡の第三改装実装は近い」と確信を持っていたのだ。しかし、公式からの発表があった時、興奮しないはずがなかった、むしろ泣いた。大学の教室で。友人の目など気にせずに。

 

……だが、比叡のグッズをコミケで売るとは思っていなかった。金剛型は、金剛・榛名の人気が高く、彼女ら関連のグッズは非常に多い。人気が高ければ、商品を買う人も多く、それが利益に直結するのは明らかである。比較的人気のない比叡のグッズなど出ないと思っていたのだ。ゆえにこの知らせは寝耳に水、青天の霹靂であった。

 

そして蚕豆という男はコミックマーケットなどという催しには参加経験がなかった。知り合いからの話を聞き、

「危険だ」「行くべきところでは無い」

などという結論を出していたからだ。

だが、最推しのグッズを買いに行かないという選択肢は存在しなかった。すぐにでも準備を整え、青海に足を踏み入れようとした。

しかし、その考えが浅はかだったことをすぐに思い知ることになる。

 

コミケ1日目、開場してから約45分という爆速で1日目に用意してあった比叡迎春旗が完売したと発表されたのだ。始発組がほぼ買えなかったのだという。徹夜組だけでほぼ独占してしまったのだ。

比叡迎春旗の品数が少なかったことと、転売ヤーの「ネタ」にされてしまったことが原因だろう。また、徹夜することは悪とされているが、その悪をしなければ購入できないという誰も得しない事態になってしまっていたのも悲しき出来事だ。

 

2日目以降の増版に賭けて(どうやらコミケで増版はほぼないらしい)たまたま別品を購入しようとしていた友人に委託をしたが、2日目は9分、3日目は15分、最終日4日目に至っては8分という歴代最速完売記録(らしい)を叩き出してしまった。もちろん友人は購入出来なかった。彼の謝罪を思い出すと、右胸が痛む。(?)

 

結局手が届かずこの話は終了……となるならお蔵入りになるはずだった。残念ながら続きがある。

 

https://twitter.com/NRTanimedeck/status/1207858195504324609?s=19

 

どうやら成田アニメデッキなる場所で、比叡迎春旗の販売を行うというのだ。

蚕豆は「これだ」と思った。寒い冬の正月元旦、自らが闘志で周りを暖かく照らす初日の出となるべく燃え上がり、始発の列車に乗り成田空港に足を運んだ。

 

抽選を行い、呼ばれた順番に購入ができる仕組みである。現地に到着した時点で、前には約40人程並んでいた。

f:id:YK6_Hiei:20200405022452j:image

しかし先着順ではない、抽選順なのである。心の中で腕まくりをし、意気揚々と「40番」と書かれた紙を係員から受け取った。

……全員で45人程。先日のコミケの事象を鑑みるに、ボーダーラインは「15番目」までであると踏んだ。確率は33%、3割もある。そこまで低い確率ではないのだ。2人でじゃんけんをし、1発で勝てば良いのだ。そうだ、今日は1月1日正月元旦、2020年1年間の運を占うのにもちょうどいい。発表を楽しみに待った。

 

最初に呼ばれたのは「10番」の人だった(確か)。そして、次に呼ばれるのは当然2番目の人だ。係員が数字を言う。

「よんじゅう……」

数字を読み上げるなど、1秒もかからない。しかしこの「う」の発音が終わった刹那、蚕豆は「ば」の発音、Bから始まる破裂音を期待した。2番目に入れば確実に購入出来るからだ。

しかし、そう簡単にはいかなかった。

「さん番の方、お並びください。」

40〜45しか40番代には居ない。いい確率だと思ったが……。

そして3番目、4番目、5番目……次々に呼ばれていく。そしてボーダーラインの15番目だが、「よ」の音を最初に聞くことはなかった。誰かが買わない読みをして20番目までには入りたいと思ったが、20番目でも呼ばれることはなかった。既に絶望していた。購入不可、この四文字が脳内を埋め尽くした。

 

そしてここで疑問が生まれる。

「最後まで呼ばれないのではないか?」

いや、次呼ばれる。呼ばれなかった。いやその次呼ばれる。また呼ばれなかった。いやいや今度こそ呼ばれる。またまた呼ばれなかった……。

活字だけ見ているとゲシュタルト崩壊を起こしそうなやりとりを何度も行う。

実は、比較的早い段階で40番代の人は蚕豆を除いて全て呼ばれていた。4番も呼ばれていた。つまりは「よん」という言葉が聞こえてくれば、呼ばれるということになる。

何故か呼ばれぬ、違う数字しかない、この世界に40という数字は存在しないのではと、世界の常識を疑いすらした。

 

そして遂に残り2人となった。蚕豆と蚕豆以外の人と。もはや比叡迎春旗など関係ない、最後にはなりたくない一心だった。そして係員が口を開く。

「──……」

何番かは全く覚えていない。とにかく理解出来たのは「40番」は呼ばれなかった、それだけだった。

そして次に、

「40番ンフの方、お越しください。」

と声がかかった。誤字ではない、最後の人間を憐れむような笑いが微かにしかし確実に聞こえた。

19歳がこの程度で子供のように悲哀の表情をするなどありえない。真顔で係員の方へ歩みを進める。する必要のない確認作業が行われる。番号点呼と確認の作業をする係員は男女2人だったが、どちらも「最後で可哀想」と言いたげな慈愛の表情でこちらを見つめていた。

とりあえず列に並ぶ。当初の予想通り15番目あたりの人が店に入った段階で、「比叡迎春旗完売」との声が聞こえた。予想ができても購入出来なければ意味が無い。そして、多くの人が列から離れて消えていった。なるほど、比叡迎春旗を求める人はどうやら蚕豆の予想より多いらしい。これは予想外だった。結局、他の商品を買おうか悩んだが、帰ることにした。他にめぼしい商品がある訳でもなかったからだ。

 

行きは最速高額なルートを通ったので、帰りはのんびり安価なルートをとることにした。朝早く起きたからか意気消沈していたからかは分からないが、列車に乗ってすぐ寝た。目が覚めたのは乗り換え予定の駅に到着する直前だった。着実に速度を落とし、ホームに到着し、ドアが開く。しばらくしてドアが閉まる。そう、乗り換え駅で降りなかった。と言うより、「降りられなかった」のだ。人生で初めて経験した、立ち上がれないという現象。腰が全く上がらない。金縛りに似たような状態だった。目的の商品を購入出来なかったということもそうだが、抽選最下位だったことが予想以上に精神的に辛かったようだ。この程度で情けないと自分に喝を入れつつ、仕方ないので別のルートで帰路に着いた。往復4000円の出費であった。まさにドブである。

蚕豆が帰宅するや否や、目的のものは買えたのか?と両親が質問してきたので、「買えなかった!」と笑顔で応えておいた。

 

このように完全敗北を喫した蚕豆だが、これでもまだ終わりではない。

あれから約1ヶ月、友人(先程とは違う)から

「比叡のヤツ、増版して神楽酒保で売るらしいぞ」

という趣旨の連絡が届いた。

https://twitter.com/C2_STAFF/status/1224222650995597313?s=19

 

なるほど?

神楽酒保(通信販売)で比叡迎春旗を販売するとのこと。このツイートがされたのが16:00手前、販売は19:00から。蚕豆が認知したのは17:30頃(寝ていた)だったので、危なかった。会員登録を簡単に済ませ、18:30から待機した。正月元旦に完全に潰えたように思われた闘志を再び燃やし、正真正銘最後の決戦に挑むことを決めた。勝てば官軍負ければ賊軍。今回は先着順、運ではない、購入出来る、確信していた。

時計が18:59を指した。ひたすら販売ページの更新をし続ける。1秒が10秒のように感じた。ゆっくり、しかし確実に時は進む。

そして突然、灰色で押せなかったボタンが赤色に光る。これで19:00になったことを把握した。カートに入れた。まず1段階目は完了。次に決済方法を選択出来れば、購入完了となる。

しかし、決済画面に移行できない。エラーが表示される。何度か更新をかけてもエラーのまま。

「もしや実はカートに入れられてない……?」

不安に駆られる、しかし、更新を何度かけてもカートに入っているのだ。多くの人間がアクセスしているだけだと信じることにした。無心で更新をかけ続ける。(これは後でわかったことだが、品切れと在庫ありの状態が何度か切り替わるという不可解な現象が起きていたらしい。)

なんとか決済方法を選択する画面に飛べた……!

とりあえず、携帯キャリアの引き落としで決済をすることにした。しかし、壁はまだ存在した。どうやら高額なので、引き落としで決済することは不可能らしい。決済の方法で時間を潰していたら、本当に購入出来なくなってしまう……。焦りが見えた、元旦の悲劇が脳裏をよぎる。

 

そんな中、のほほんとした表情で父親がこっちを見ていた。そこで閃いたのだ。

「父親のクレジットカードを借りれば、購入出来るのでは?」

すぐさま父親に交渉した。父親は元々物わかりが良いこともあり、父親に商品の金額分のお金を渡すことで納得してくれた。

なんとか決済方法を選択し、購入することが出来た。
f:id:YK6_Hiei:20200405043502j:image

上記のメールも届き、完全に購入出来たことが確定した。

完全敗北からの逆転勝利、叫んだ、両手でガッツポーズを決めた。その場で漏らしそうになった。大袈裟な表現のように見えるが、それほどに興奮したのである。

 

発送は3月下旬。心待ちにしていた。

しかし、3月は終わり、4月に入ってしまった。今日の流行病のこともあり、外出する機会が限られていたので、届くのを待っていたのだが……。まさか、本当は買えていない!?ありえない推測が脳内を飛び交う。大丈夫なのか……?

などと思っていたら4月3日に発送したとの連絡があり、4日には到着した。数日以内と言われていたが、翌日に来るとは。首都圏に住んでいてよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、少し大きめのダンボールを笑顔で自室に運ぶ男の姿がそこにあった……。

 

12月16日に端を発し、約4ヶ月に渡るただひとつのグッズを巡る奇妙で平凡な話はここに終わる。

 

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ということで、ここまでお付き合い下さった方はお疲れ様でした。

面白みの無い文を読んで疲れたと思いますが、もう少し(すぐ終わる)お付き合い下さい💦

正直、推し絡みでこんな体験するとは思わなかったですね……。

本当は開封も入れようと思ったけど、それだと結局レビューになっちゃうので変な区切り方ではあると思いますけど、ここで終わらせました。

レビューというか、まだ語りたいことはあるので、それは4月の下旬辺りに書けたらまあオタクっぽく書いていきたいと思います!

なんかよく分からん病気が流行ってるので、体調管理に気を付けて、まったり生きましょう!

 

では。